未来は話した言葉で作られる
「未来は話した言葉で作られる」
60歳の還暦を迎える少し前のことです。
還暦は人生の大きな節目です。
「自分の本を出してみるのはどうだろう?」
そんなことを考えました。
でも、すぐに打ち消しました。
これまで本など書いたことはありません。
書けるような面白い内容もなければ、文章の技術もありません。
「無理だな」
そう思って、あきらめました。
還暦を迎えたその年のことです。
大切な友人が、
「亀ちゃんの講演会を開こう」
と仲間に呼びかけてくれました。
打ち合わせの最後に、その友人が私に尋ねました。
「亀ちゃん、この講演会の演目は何にする?」
私はしばらく考えてから答えました。
「実は、還暦のうちに本を出したいという夢があります。その本のタイトルは『幸せの入り口屋 いらっしゃいませ』です。できれば、その題名を演目にしてほしいです」
すると、その友人が言いました。
「その本は、いつ出すの?」
「まったく決まっていません。還暦のうちに出せたらいいな、と漠然と思っているだけなので……」
すると今度は、
「じゃあ、この講演会を出版記念講演会にしようよ」と言ってくれました。
みんなも
「それがいい!」
と盛り上がり、そのタイトルで動くことになりました。
ところが私はというと、背中に冷たい汗が流れました。
できるだろうか……。
出版記念講演会まで、残された時間はわずか6か月です。
そう考えると、今度は胃がキューッと痛くなりました。
その日から文章を書き始めました。
同時に、本を出版してくれる出版社も探しました。
来る日も来る日も動き回り、さまざまな人に相談しました。
そんな中、執筆を応援してくださる作家さんとも出会いました。
そしてついに出版社が見つかり、本を出版することができたのです。
今振り返っても、あの6か月は夢のようです。
「あれは本当にあったことなのだろうか」
そう思うことがあります。
この経験から、私は大切なことを学びました。
夢を叶えるための最初の一歩は、
「口に出すこと」
だということです。
私が大事にしている言葉があります。
体は食べたもので作られる。
心は聞いた言葉で作られる。
未来は話した言葉で作られる。
「未来は話した言葉で作られる」
私はこれからも、その言葉を信じて、本当にやりたいことを口に出していこうと思います。
夢は、歩き出してから見つかる道もあります。
あの日、思い切って口にした一言が、私の人生を大きく動かしました。
今日もまた、心の奥にある願いに耳を澄ませてみようと思います。
コラムを書いた人
にしかめ まこと西亀 真
盲目のセラピスト・アイマスク講演家。「幸せの入り口屋」初代当主。広島県三原市生まれ。
百貨店でシステムエンジニアとして勤務後、難病「網膜色素変性症」を発症。視力を失う中でカウンセラー資格を取得し、産業カウンセラーとしても活動。現在は全国で講演活動を行い、「感謝と挑戦とあきらめない」をテーマに心を整えるメッセージを届けている。
はこちら
著書のご紹介
西亀真さんはこれまでに
2冊の著書を出版されています。
幸せの入り口屋いらっしゃいませ
盲導犬シエルと歩いた幸せの道

@manaby_honmachi
@manaby_honmachi