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7回 亀ちゃんコラム

「すみません」から「ありがとう」へ 0を1にする旅の果てに

名古屋での一歩から始まった旅は、
やがて全国へと広がっていきました。

 

私は、観光地やグルメを目的にしたわけではありません。
ただひとつのテーマ——
「0を1にする」ことでした。

 

一人で出かけること。
初めての宿泊。
レストランで食事をすること。
温泉に入ること。

 

これまで当たり前にできなかったことを、ひとつずつ「できた」に変えていく。
それが、私の旅の目的でした。

 

さらに私は、さまざまな乗り物にも挑戦しました。
電車、バス、タクシー、新幹線。
路面電車、ロープウェイ、飛行機、フェリー。

 

乗ったことのない乗り物に乗る。
それだけで、新しい「1」が生まれます。
中でも印象に残っているのは、飛行機です。

 

前日の夜は、不安でいっぱいでした。
「空港まで行けるだろうか」
「トイレはどうする?」
「乗り換えは大丈夫だろうか」

 

けれど実際には、何の問題もありませんでした。
そのとき、スタッフの方にこう尋ねました。
「これがニューヨーク行きでも同じですか?」

 

返ってきた答えは——
「はい、サービスは同じです」
その一言が、後の「ニューヨーク一人旅」へとつながりました。
そしてもう一つ、大きな気づきがありました。

 

私は「すみません」と言うために旅をしていました。
でも、助けてくださる方々は、
自分の用事を止めてまで関わってくださるのです。

 

そのとき、申し訳なさと同時に、
ある決意が生まれました。

 

「今は助けてもらう。でも、いつか必ず恩返しをする」
そう、心に誓いました。

 

ユダヤのことわざに、こんな言葉があります。
「0から1までの距離は、1から1000までよりも遠い」
まさに、その通りでした。

 

最初の一歩は怖い。
けれど、その一歩が世界を変えてくれる。

 

「すみません」と言いながら歩いた道は、
いつしか「ありがとう」で満ちた道になっていました。
あのとき出会ってくださった、すべての方へ。
心からの感謝を込めて——本当にありがとうございました。

 

そして今日も、私は思います。

 

小さな一歩が、人生をひらく。
その一歩を踏み出す勇気は、
きっと、誰の中にもあるのだと。

コラムを書いた人

にしかめ まこと西亀 真

盲目のセラピスト・アイマスク講演家。「幸せの入り口屋」初代当主。広島県三原市生まれ。
百貨店でシステムエンジニアとして勤務後、難病「網膜色素変性症」を発症。視力を失う中でカウンセラー資格を取得し、産業カウンセラーとしても活動。現在は全国で講演活動を行い、「感謝と挑戦とあきらめない」をテーマに心を整えるメッセージを届けている。

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著書のご紹介

西亀真さんはこれまでに
2冊の著書を出版されています。

  • 幸せの入り口屋いらっしゃいませ
  • 盲導犬シエルと歩いた幸せの道