後悔しないために、私は笑顔を選んだ
『後悔しないために、私は笑顔を選んだ』
〜臆病なザリガニと、私の小さな挑戦〜
「ザリガニは、とても臆病な動物なんです」
昔、ラジオからこんな話が流れてきました。
ザリガニはとても臆病なので、捕まえたいときは、後ろに網を置き、頭の前に小さな石を落とすと、驚いてサッと後ろに下がり、そのまま網に入るというのです。
そして、ラジオはこう続けました。
人が人生の最後を迎えたとき、「あれをやらなきゃよかった」という後悔よりも、「あれをやらなかった」という後悔の方が、はるかに多いのだそうです。
だから人生の最大の失敗は、「やったこと」ではなく、「やらなかったこと」への後悔なのだと結ばれていました。
「後で後悔したくない」といえば、思い出すことがあります。
目が見えなくなった当時、私は一人ではどこにも行けない時期がありました。
そこで自信をつけるために、「日本全国47都道府県の県庁所在地を巡る一人旅」を始めました。
兵庫県の神戸市に行くとき、どこへ行こうかと考えました。
もともと神戸に住んでいたので、行くこと自体はそれほど冒険ではありません。
そこで思いついたのが、ラジオ局が主催する神戸での「カラオケ大会」に、一人で参加することでした。
せっかく出るからには、少しでもうまく歌いたい。
そう思い、悪いところをチェックしながら練習を重ねました。
本番の前日、ふと考えました。
これまで、こうした緊張する場面では、「気をつけよう」と思っていたことのほとんどを本番で忘れてしまい、終わってから悔やむ、ということを繰り返してきたなと。
「どうせ今回も、あがってしまって、思うようにはできないだろう」
そう思ったとき、ある決断をしました。
「後で後悔したくない。そのために、たった一つだけ決めよう」と。
そして私は、
「舞台に立ち、歌い始めるまで、ずっと笑顔でいよう」
そう決めました。
一つだけなら、きっと忘れない。そう思ったのです。
そして本番当日。
とにかく「笑顔」だけを意識して臨みました。
すると、不思議なことに緊張はほとんどなく、練習のときと同じ気持ちで、最後まで歌いきることができたのです。
臆病な私を支えてくれたのは、「笑顔」でした。
それ以来、私は大事な場面では「笑顔」を意識するようにしています。
あっ、それからカラオケ大会の結果ですが……
思いがけず「五段の部で優勝」でした。
えへっ。
コラムを書いた人
にしかめ まこと西亀 真
盲目のセラピスト・アイマスク講演家。「幸せの入り口屋」初代当主。広島県三原市生まれ。
百貨店でシステムエンジニアとして勤務後、難病「網膜色素変性症」を発症。視力を失う中でカウンセラー資格を取得し、産業カウンセラーとしても活動。現在は全国で講演活動を行い、「感謝と挑戦とあきらめない」をテーマに心を整えるメッセージを届けている。
はこちら
著書のご紹介
西亀真さんはこれまでに
2冊の著書を出版されています。
幸せの入り口屋いらっしゃいませ
盲導犬シエルと歩いた幸せの道

@manaby_honmachi
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